大切に思ってくれていると分かる手が、シャツの釦を外していく。
表情は今まで見たどれよりも男らしい。
少年の中にある、凛とした瞳。それがまた彼という人を輝かせている。

ひとつ、ふたつ。みっつ。

とてもゆっくり進んでいくから、唇が寂しくなって。
その間、彼の唇に自分のものを重ねる。重ねると、彼は反射的に目をつぶってくれるから、きゅ
っと驚いたように閉じられた目許も、可愛くて唇を落とす。

「……外せ、なくなる」
「―――…だめだよ。私に触れたかったら我慢しないと」

肌が擦れそうなぐらいの距離で、そう言って笑うと刹那は低いうめき声を上げた。
それが毛を逆立てた仔猫の声みたいで、可愛らしくて更に鼻を喰む。
頑張っている様子の彼を見ながら、この紅茶色の、このきれいな瞳がとても気に入っているから
ちょっかいを出した。
目元、目尻、瞼を唇で触れたり、時々舌でも嘗めて彼を感じる。

「意地悪だ……」

好き勝手にしていると、顔の下で頑張っていた刹那が低い声で言う。
甘酢っぽいような、焦れたそれに耳が震えた。
と、その後に何かがはじけ飛ぶ音がする。

「おや…――待てないかい?」

釦だ。床に何個か散らばったのが見えた。
それを冷静というよりは、わくわくしている自分が変だと思う。でも、更に目が離せなくなる
何かがあった。
外れない釦に我慢ができなかったのだろうか。いや、そうだったらいい。
そんな妄想めいたことを思っていると、開かれたその胸元に、彼の一部が這った。
舌の弾力を感じ、濡れた彼の唾液が肌を滑る。
ぞくりと、言葉にできないような高揚が走った。
釦を外す時間が勿体ほど、自分を求めている。

「…待てない」

その事実と、声。脳が痺れる。
濡れた肌にかかる吐息がいつもよりも熱いのが余計に良かった。
こちらもそれを感じて熱くなる。
だから返す。自分を貪ろうとする男を、腕に抱きながら。

それは私もだよ、と。

















::END::


続きはそまさんが(´∀`)




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送